王子様の溺愛カメラマン
恋に目覚めました?
「はぁ?!エマちゃんちに押しかけただ~?」
休み時間の教室
亮太の大声がクラスに響いた。
「うるせ~」
俺は耳に栓をしながらうなずいた。
「お前…写真バカなんだと思ってたけど、やる時はやるじゃん」
「写真バカは余計だ」
亮太はにやにやして俺を見た。
「それで…しっかり楽しんできたわけ?」
「ん?おう。うまい棒食って恋バナしてきたぜ」
「は?」
俺の言葉に今までニヤついていた亮太はフリーズした。
「うまい棒?そんだけ?」
「あ?そうだけど」
正確にはポッキーも食ったけど。
首を傾げる俺に亮太は顔を歪めた。
「お前…やっぱりバカだろ」
「は?」
「なにしに行ってんだよ」
「何しにって…スゲー有意義な時間だったぜ?」
昨夜はエマも俺も腹を割って話せた。
ああやって親睦を重ねてお互いを深く知ってこそ、いい作品にもつながると俺は思う。
昨夜はその第一歩になった。