スキミー・ストイック【短編】
「書記、コーヒー」

 ファイトー!

 ファイトー!

 カリカリ、カリカリ。


 部活動に勤しむ生徒たちの声をBGMにして繰り広げられる、白と黒の応酬。

 インクがへばりついて鈍く光るボールペンの切っ先が、うすっぺらい紙の余白を埋めるべく何度も往復していた。

 放課後、生徒会室で執務を始めてから一体何時間経っただろう。

 ふと腕時計に視線を落とすと、驚いたことに短針が2つもコマを進めていた。

 集中してると時間感覚がわからなくなるなぁ…。

 そんな呟きを噛み殺したところで、わたしの手が久しぶりにペンを離した。

 終わったぁぁっ…!!

 思わず伸びをしたいところだったけど、まだまだ仕事の山は残っている。

 隣の机にうず高く積まれた紙の束をじとーっと睨み付け、小さく首をこきこき鳴らすだけに留めた。
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