生意気なハケン君
♢春の嵐♢
朝の眩しい日差しが降り注ぐ東京、丸の内。




関東に桜前線がやってきて、

近くにある桜並木が満開に咲き誇る。





春の暖かい風が吹く度に、

ピンクの花びらが優雅に舞い散っていき、

そこはまるで別世界のようだ。








「――おめでとう!」

「おめでとう!!お幸せに」






様々なビルがたくさん建ち並ぶオフィス街。



そこに私が働く会社が高々とそびえ立っていた。

















「寿退社?」

「――そうなんです。結婚を期に、家庭に入って欲しいって彼が」









会社に出勤するやいなや、

何故かオフィスが祝福モード。





パチパチと拍手を浴びながら嬉しそうに笑うのは、


入社三年目の若い女性社員。





少し小柄で性格はおっちょこちょいだが、


愛想も良く仕事も出来て、
私も度々書類作成など頼んでいた子だった。
< 9 / 42 >

この作品をシェア

pagetop