深海の眠り姫 -no sleeping beauty-
4. 幸せな夢を見た





あんなに眠るのが怖かったのに、今はただ幸せな夢を見ている。










こどものそばにいるのは、こどもの“おとうさん”と“おかあさん”だった。




“おとうさん”の顔には靄がかかっていてよくわからない。
“おかあさん”らしき女の人は、派手な身なりをしていてとても母親には見えなかった。




それでもこどもにとっては“おとうさん”と“おかあさん”で、二人がこどもと手を繋ぎどこかに向かって歩いていく。




―――たどり着いた先がこどもにとって地獄であったとしても、この瞬間だけは幸福だったんだ。





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