ハレゾラ
30女の宣言
自宅から駅まで歩いて五分。
いつも同じ時間に家を出るから、電車が来るタイミングもバッチリ。


今日もいつもと同じ時間の電車に乗り込み、いつもの定位置に立ち、終点の駅まで向かう。すると途中の駅から、同僚で親友の林田希美が乗ってきた。
 

「おはよう」
 

私がいつものように声をかけると、希美がニヤッと笑う。
 

「そんな顔して、彼氏に振られた?」
 

──何故分かる。


努めて明るい表情で挨拶したつもりだったのに……。


そして私がピクッと眉を顰めたのを、彼女は見逃さなかった。
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