ハレゾラ
嬉しい? ハプニング

しばらく何も話さず寄り添っていたが、少し寒くなって身体を震わせると、
彼がサッと肩を抱き「そろそろ行こうか?」と声をかけてくれた。
車に戻りエンジンをかけてくれる。次第に車内が暖かくなってきて、ホッと
一息ついた。


「次のインターで下りて、海まで行ってみる?」


「久しぶりに海見たいかも」


「じゃあ決定!」


明日は日曜だし、帰るのが遅くなっても構わない。もっともっと彼と一緒に
いたかった。

最初からそうするつもりだったらしい彼は、砂浜が綺麗なことで有名な海に
連れて行ってくれた。手を繋いでその砂浜を歩く。遠浅の海が月明かりに照ら
されてキラキラ輝いている。

ここに着いてから、彼がほとんど声を発していないのに気付き、ちらっと顔を
見てみると、いつになく真剣な顔をしていた。


「どうかした?」


どうしても気になりそう声をかけると、意を決したような表情で私を見つめて
くる。


「ねえ咲さん……今晩、僕の家に泊まっていかない?」
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