114歳の美女
7話 浮気のサイン
 引越しのあくる日の朝。


 しのぶは旅行カバンの中から、ナイロンの袋に入れた味噌汁の具を取り出した。

 味噌や卵、干し魚は、昨日、寛道に台所へ運んでもらっている。
 台所用品は、ときが引越しの前日、揃えていた。


 しのぶが台所で朝食の準備を始めた。

 ご飯に、出し巻き、焼き魚、味噌汁。

 「これで、いいか」

 しのぶが通り庭から、奥の間のガラス戸を叩いた。

 「ご飯ですよ」

 二人が不機嫌な顔をして、食卓の前に現れた。


 「これ、しのぶはんが。食事の材料は、まだ購入してへんのに、よう出来ましたな」


 ときが驚いた顔をしている。


 「昨日の内に、主人に持って来てもらいましたから」


 通り庭から中の間に上がりながら、しのぶが答えた。
 二人が食事を始めた。





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