檸檬の変革
天の川
『退屈で死にそう。』

美空(みく)は吐き捨てる様に言うと夜空に向かって大きく溜め息を吐いた。

夜空と言っても東京の繁華街ド真ん中の渋谷では夜空何てネオンの途切れた僅かな隙間に見える程度。

街並みは流行りのモノと同じ位汚い残飯やゴミが溢れているけれど、見たくなければ見なきゃ良いだけ。

『ホントー。何か面白い事無いかなー!』

美空の言葉に続いて美夏が投げやりに言って手に持っていたファーストフードの紙コップを道の端に投げた。


2人は小学校から高校迄一緒で家も近所の幼なじみだ。

美空は色白に髪はシャンパンゴールドに染めてブルーのカラーコンタクト。背丈は165㎝にスタイルバツグン。顔立ちもアメリカ人の祖父の血が強く入ったのか外国人の様に鼻筋が通り、日本語を喋らなかったら日本人だとは分からない。

美夏は小柄だが胸が大きいのが自慢で制服も胸元を意識して第3ボタンまで広げて、幼顔とのアンバランスさを強調している。
髪は赤みがかったブラウンにボブにシャギーを入れた髪型。

2人は周りより多少人目を引いた容姿だった。
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