《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
五巻*妖狐・現る
「・・・」


俺は購買で買ったサンドイッチを食べながら、ケータイで時刻を確認。



花奏が持っていた手紙から妖の匂いがした。


背中に気配を感じて、振り返る。



「千早か…どうした?」


「お忘れ物です」


千早は静かに言い放ち、俺に血のタブレットケースを渡す。



「月は満ち始めてます。念の為に飲んでおいた方がよろしいかと」


「・・・」



本能にどう抗っても、無駄な抵抗。

俺は黙って、千早の気遣いを受け取る。


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