ランデヴー II
【epilogue ―スタートライン―】
「えー、美咲ちゃんってこんなに大きかったっけ!?」


久しぶりに佐和子の家に足を運んだ私は、美咲ちゃんの成長した姿に驚いた。


以前よりも一回りは確実に大きくなった美咲ちゃんは、今日もご機嫌そうに私に微笑みかける。



「そりゃそうだよ、もう7ヶ月だもん」


佐和子は私が持ってきたロールケーキを頬ばりながら、あははと笑う。



「本当に子供の成長は恐ろしい程早いよね。大人になったらちっとも成長しないのに」


「俺達が成長し続けたら、今頃すごいことになってるよ」


「ね、ゆかりは馬鹿だねー」


「ちょっとそこ! 人のこと馬鹿にしない!」


私はソファに座る光輝の隣に戻ると、佐和子が入れてくれた紅茶をがぶ飲みした。



今日は1度2人で遊びに来いとしつこく言う佐和子のお言葉に甘え、光輝と2人で彼女の家にお邪魔している。


穏やかに時間が過ぎるこの空間には、相変わらず幸せが溢れているように感じる。
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