秘密な関係
これが失恋ってやつなのか?
荒川が車から降りてからも暫く動けなかった

ハンドルに頭を預け、自分がした事を責める

俺は荒川を傷つけた

最低だと思った

時間が立てば立つほど自分が取り返しのつかない事をしたんだなって落ち込んでくる

何とか気持ちを持ち直し、家に帰ってきた俺は

荒川に出したカップを見て、また落ち込む

「バカだな…俺」

誰もいない部屋で呟いてみる

俺は荒川を抱かなかった

いや、抱けなかったんだ

荒川が初めてだと知って

俺は手を止め、そして荒川を家に帰した

結局、俺は逃げたんだ

荒川を抱きたいって思った気持ちは本当だった

荒川と一緒に過ごす時間が増えていくにつれ

俺の中の荒川の存在が膨らんでいるのが解ってた

一緒にいて楽しかったし、こんなにも穏やかに過ごせる事がうれしかった
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