愛と欲望の螺旋(仮)
偶然?必然?それとも…作戦?
「そっか、桜は今日で契約終了なんだ。」
派遣先で仲良くなった萌々(もも)ちゃんと、今日も一緒にランチしていた。
「うん。」
トマトと手長エビのクリームパスタを頬張りながら、コクンとうなずいた。
「次の仕事は見つかったの?」
「まだ。夏コミでそれなりに稼げたし、しばらくは生活大丈夫だから、次の派遣先が決まるまで、冬コミ用に新作作っておこうと思って。」
「そっか。一年もいたから、今日で終わっちゃうのは寂しいけど…」
「派遣の悲しい所だよね。仲良くなっても、期限が来たらお別れだもん。」
「でも、暇なときは一緒に飲みにでも行こうよ。」
「うん。」
「泉希も一緒にさ。」
萌々ちゃんは、派遣先の会社で知り合ったけど。
仲良くなって、泉希なんかと3人でよく飲みに行ったりしている。
最近は、3人で集まっていることが多いんだ。
「いいね!!」
ニッコリと笑った時だった。
ブルルルルルル…
ポケットの中に入っていた携帯が鳴り出して。
慌てて携帯を取り出した。
見たことのない携帯番号が表示されていて。
もしかしたら、どこかの出版社が同人関係でスカウト?
なんて、甘い期待を湧き上がらせた。