愛と欲望の螺旋(仮)
狼は何匹いるの?
本当に、黒崎と共同生活をすることになりました。
泉希にはメールで知らせたら
『夢も手に入れたし、ついでに彼氏になってもらったら?』
なんて明るいメールが帰ってきた。
他人事だと思って。
大体、夢は叶ってないから。
契約期限が切れて、新しい契約先が編集者と似たような仕事ってだけでしょ?
ムッとしながら、顔合わせと打ち合わせを兼ねて。
今日はバーンブルーに出社。
この一週間、黒崎は気を使ってくれたみたいで。
マンションには帰って来なかった。
藤原さんの言うように、女に不自由はしてないから。
どこかの女の所だとは思うけど。
いちよう、全部の部屋には鍵は付けてくれたみたい。
2人のお兄さんとやらは帰って来ないみたいだけど。
それでも気が休まる時なんてない。
黒崎がいつ帰ってくるか?
黒崎の家の中にいるっていうだけで、安心なんてないでしょ。
ハアッと深いため息をついた。
「………で大丈夫かな?」
「え?」
黒崎の問いかけに、ハッと我に返った。