久遠の花〜 the story of blood~
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 ――うるさい。

 ――頭が痛い。





 光の無い場所で、私はもがいていた。

 ここから出たいのに、出て行けない。

 本当は出ていけるのに、許されない。





 まだ――私が私でないから。





 時代が。

 周りが。

 私を必要とするまで、〝出て行けない〟。

 嫌だけど、その理由を知っているから――私は、〝出てはいけない〟。





 ううん。きっと本当は――。





 ――――――――――…
 ――――――…
 ―――…


 目覚めると、全身を気だるさが襲った。起き上がろうにも、体はなかなか動いてくれなくて――しばらく、天井を仰いでいた。

 今日のは、いつも見るような夢とは違う。誰かに話しかけられたような気がするけど、そこに声の主はいない。

 覚えてるのは……〝許されない〟という言葉と、果てしなく続く世界。同時に、どこか閉じたような、閉鎖的な感覚を抱いたぐらい。

 ――コンッコンッ。

 ドアを叩く音が聞こえる。おじいちゃんが来たのかなと思っていれば、部屋に入って来たのは、意外な人物だった。
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