青のキセキ
上司と部下
翌月曜日。


いよいよ今日から新しい職場での生活が始まる。


初日ということもあり、少し早めに家を出た。


電車は既にすし詰め状態で、鞄から手を話しても落ちなさそう。






家を出て30分ほどで、会社に到着した。

入り口の自動ドアを通り、受付で名前を告げると、総務部へ行くように言われ移動する。


総務部へ入ると、1人の男性社員が近付いてきた。


「美空遥菜さんだよね。企画部へ案内する前に、IDカードとか色んな手続きの書類渡すから、ちょっと待っててくれるかな」

首からぶら下げたIDカードに山辺と書いてある、いかにも人のよさそうな男性。


一旦、デスクの方へ行ったかと思えば、再び私の方へ戻ってきた。

手には、IDカードと書類の入ったクリアファイル。


「美空ちゃん、はい、これ。社内にいるときは必ず首にかけといてね」

長いストラップが付いたID カードを手渡される。


ん?美空ちゃん?私のことだよね…?


いきなり“ちゃん付け”で呼ばれたせいで、少し動揺してしまう。


「は、はい。わかりました」






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