すっぴん恋愛~危険な素顔はオフィス内禁止~
運命の夜
「では、乾杯します」

「かんぱーい」

「かんぱーい!」


週末の夜…営業課と企画課の合同飲み会が開催されていた。


「あれ?雪菜ちゃん、それ烏龍茶なの?」

「ええ、私…お酒はあまり飲めなくて…」

「へえー、意外だね。この後、何飲む?」


終わりそうなグラスを見て、次の飲み物を聞いているのは営業課のイケメン速水である。


「じゃ…オレンジジュースをお願いします」

「了解!」


飲めない雪菜にとって、飲み会は苦痛だった。

飲めないと伝えても、少しくらいは…と勧められることも少なくはない。

そのたびに断るのも気が引けるから、いつも気分は重い。



< 15 / 244 >

この作品をシェア

pagetop