先生とシンデレラ
ミスコン*第0次審査*
"…長い…”

かれこれもう20分。

「えー…」だの、「したがって」だの、何回も同じ事を繰り返して。

“一回で良いから。"


多分この体育館に集まってる全校生徒が思ってる事。

高校に入って暫くは、『漫画みたい…』と思ったけど、月曜日毎朝これだとさすがに飽きてくる。

ヅラの頭を大事そうにさすって。

私が、あきれて顔を背けると。

「…っ」

先生が私を見ていた。

…睨んでた。

パッと顔を背ける。

どうしよう…

怒ってるのかな、昨日の事。

嫌われた…?



…良いけど、別に。

いっそ嫌われてしまえたら。

そしたら。

ミスコンに出なくてもいいし。

辛い思いしなくてもいいし。

悲しい思いしなくてもいいし。

胸が痛くなくなるし。

それから、

それから…

私が、悶々と一人で考えていた途中で長い長い集会は終わったらしく、一人立っていた私を華ちゃんが心配そうに見ていた。

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