【短編】ショートメッセージ
プロローグ
「ごめん… 好きな人ができたんだ。君とはもう、会えない…」

正座した膝の上には、きつく握られた拳が、小刻みに震えていた。

直視できないほどの醜態を晒しながら、彼は絞り出すような小さな声でそう言ったのだ。

やたら狭いアパートの一室。

テーブルを挟んで、向かい合う私たち。

急によそよそしくなってから、約ひと月。そんな彼に気付いたけど、気付かないフリをしていた日々に、終止符を打たれたのだ。



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