お嬢様になりました。
第五話 波乱の舞踏会
昨日のモヤモヤが嘘の様に、朝の目覚めは良かった。


荒木さんのおかげかな。


ベッドから降りカーテンを開けると眩しい程の光が差し込んできた。


雲一つない晴天。


せっかくの休みだし、気分転換にどっかでかけようかな。


華に連絡してみよう。


ーコンコンコンッ。



「はい」

「失礼致します。 葵お嬢様、おはようございます」

「おはようございます」



笑顔で朝の挨拶をすると、荒木さんはいつもの様に少しだけ頭を下げた。


相変わらず堅苦しい感じだけど、今でははその堅苦しさは荒木さんの個性なんだと思う様になっていた。



「昨日はありがとうございました。 荒木さんのおかげでぐっすり眠れました」

「とんでもありません。 今後は何かございましたら遠慮なくお申し付け下さい」



荒木さんは私が何も言わなくたって気付いてくれる。


そう思える程に、気付けば荒木さんは甘えられる相手になっていた。


甘えすぎない様に気を付けよう。



「旦那様からご伝言を申し使っております。 本日の朝食は食堂ではなく、応接室でお摂りになるとの事です」

「応接室で？ 私もですか？」

「はい。 その様に伺っております」

「分かりました。 準備したら応接室に向かいます」





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