イケメンSPに守られることになったんですが。
3・見られちゃったんですが。


午後23時──。


私はやっと自分のアパートに帰ってこれた。もちろん高浜さんの車で。


他のSPは交代で近所の見回りらしい。



「えっと……貴重品と、生活に必要なものを用意すれば良いんですね?」



ドアの前で聞くと、高浜さんはこくりとうなずく。そして。



「できれば、一度お部屋を拝見させていただきたいのですが」



そう申し出てきた。


えー……それが嫌だからここで聞いてるのに。空気読んで欲しい。


一度盗難にあって以来、下着は中に干すようにしてるし。


来客の予定も無かったから、ちらかり放題なんだけどな。


そんな私の思いを察したのか、高浜さんは申し訳なさそうに言う。



「すみません。盗聴器とか、盗撮器の類がないか見るだけですので。
ご協力よろしくお願いします」



と、盗聴器!?


ぶるりと背中が震える。


この前見たテレビで、盗聴器って本当に、本人が気づかないうちに仕掛けられてるって言ってた気がする。



「うう、じゃあ……」


私はしぶしぶ、高浜さんを中に招き入れた。




< 37 / 438 >

この作品をシェア

pagetop