俺様ホストに愛されて
無言の鉄槌


着信:太一



ここ一週間、毎日太一から着信がある。



今更、なんの用?



しばらく画面を見つめた後、座っていたソファーから立ち上がった。



こうなったら、はっきりさせよう。



そう思って、スマフォを持つ手をキュッと強める。



お店の中央にはシャンパンタワーで盛り上がるホスト集団がいて、その中心にリュウが立っていた。



色んな人からお酒を飲まされているけど、酔っている気配は全くなくてクールに澄ましている。



さすがだ。


でもあたしは、クールに澄ましてるよりも2人で飲んでる時に見るリュウが好き。



そっちの方が自然な感じがするから。



人混みを掻き分けて扉まで辿り着いた時、視線を感じた気がしてふと後ろを振り返った。



だけどこっちを見てる人は誰もいない。



気のせいだったんだと思って外へ出たあたしは、お店から少し離れたところで太一からの電話に出た。


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