アンラッキーなあたし
むちゃくちゃな条件
「…というわけで、今一度、愚かなわたくしめにチャンスを下さい。今度こそ心を入れ替えて良い占い師になります。ですから、今一度、今一度…」

冷たい床に額をぐりぐりと押し付け、あたしはルコ先生の前にひれ伏している。

どうにもこうにもなりゃしませんという状況まで陥ったあたしは、クビになったはずの占いの館に来ていた。

言うまでもなく、再びここで働かせてもらうためである。

「事情はわかった」

一部始終聞き終えると、ルコ先生は静かに言った。

「じゃあ、もう一度ここで?」

働かせていただけるのですね、と言いかけたあたしを遮るように、

「だめぇん」

ルコ先生改め、意地悪ばばあがおどけて舌を出す。この状況でその態度は本当に腹が立つのだが、「じゃあ結構です」と言えた身分ではないことをあたしは重々承知していた。

< 108 / 354 >

この作品をシェア

pagetop