輝く光の中で
SIDE  智
俺は、片桐 智 20歳。本当の名は、九条 智

次期、九条財閥の跡取りだ。

今は、訳あって、母方の姓を名乗っている。

小さい頃から、九条の跡取りとして、育てられた・・・。

といっても、金持ちの世界の仕来りとかではなく、財閥を継ぐに
あたり、人として、上に立つものとしての姿を、祖父や叔父、
そして父の姿を見ながら育った・・・。

だから、子供といえども、三人は俺に対して容赦なく、特に仕事に
関しては、小学校の頃から、会社の会議など、ビデオで見せたりしながら
会社の仕組み、仕事の内容等、とことん叩き込まれた・・・。

まぁーもともと、三人の血があるせいか、中学に上がる頃には
頭角も出てきて、高校の時には、隠れ役員をして、会社の経営にも
携わってきた。

生まれてから中学1年までは、アメリカで過ごし、高校卒業するまでは
日本にいたが、大学は、再びアメリカへ渡り、2年で卒業し、
この秋、日本に帰って来た。

もう少し、アメリカにいて、親父の元で勉強したかったのだが
祖父と叔父が、しつこく『早く、日本に戻れ』と言うので
仕方なしに、帰って来た。

もっとも、日本には、俺の愛する莉那、西条グループの娘で
、妹の万梨阿の親友莉那がいる。

高校3年の時、莉那に告白され、付き合い始めたがその後、2年程、
遠恋をしたのち、この度、莉那の元に帰って来た。

もともと、莉那は俺の超タイプで、手に入れたかったのだが、
なにせ、万梨阿の親友という厄介な立場に居たため、手出し
出来ず、周りから固めて手に入れようと思案していた時に
『棚から牡丹餅』状態で、莉那から告白された・・・。

< 45 / 239 >

この作品をシェア

pagetop