輝く光の中で
帰国
その夜、智に帰国したことを告げ、莉那を一晩借りることを
承諾させた。

「偶には、ガールズトークでもしてくれ」と、言ってくれた。

二人で、外に出るのも面倒だったので、ルームサービスで夕食をとり
私の初彼の話に、花が咲いた・・・。

「で、どんな人なの?」

「うーん、一言で言うと、王子様みたいな人」

「王子様?・・・・写真はある?」

「うん、写メがあるよ・・・」携帯を開いて、見せた。

「うわぁー、王子様だね・・・・・。」

「うん。たぶん、セレブ・・・・・」

「なに、その『たぶん』って・・・?」

「実は、お互いの詳しいことは、あんまり知らないの・・・」

「へぇっ?それって・・・」

「万梨阿、あなた、騙されているんじゃないの?」

「・・・。それは、ないと思う・・・・。」

「でも、相手の事、何も知らないんでしょ!」

「うん、でも、私の事も、知らないのよ・・・・」

「だから、いいのよ・・。いずれ話してくれる時が来ると
 思うから・・・・。それまでは、今のままで・・・」

「・・・・・・。騙されているか?余程、身分が高くて
 知られたくないかの、どちらかね・・・・」

「お金とか要求されてないの?」

「うん、全くないよ。」

「そぉー、・・・・・。もし、何かあったら必ず言うのよ
 わかったわね!」

「うん、ありがとう。そうする・・・・。」

アルの事ばかり、責められないのだ・・・・自分も、何も話して
いないのだから・・・・・。
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