ツラの皮
小早川鈴的な





コットン、コットン。


体に響く規則正しい緩やかなリズムはまるで母親の胎内。


まるで産まれる前に戻ったかのように安らかで心地よい眠り。









「おい」






無粋な声に安眠を妨げられた私は重い瞼をこじ開け些か八つ当たり気味の視線で声の主を睨んだ。






「・・・キレイな貌・・・・」







すっきりした二重瞼の双眸に、すっと伸びた鼻梁。

そして形のよい唇。

ショートの黒髪はツヤツヤでサラサラ。






男なのは一見して分かるけれど、どこか中性的な雰囲気の魅惑的な美系。






< 1 / 403 >

この作品をシェア

pagetop