キスマーク
邪魔する彼




土曜日、


合コン当日。ヒロにつけられたキスマークは今日もやっぱり消えてくれなくて、蒸しタオルをあてたり、ファンデーションを厚めに塗ったりと悪あがき。


もうコソコソ隠すんじゃなくて、あえてそれ以上は手を加えないでいこうと思う。突っ込まれたら突っ込まれたらで適当に誤魔化せば良い。


これが原因で上手くいかないなら、それはそれで仕方ないくらいに思うしかない。


買ったばかりの白いホルターネックのワンピースを着て家を出る。



駅に着いて麻里を待っていると、



「ねぇ、たぁくん、ゆぅのコト、好き?」


「何だよ~いきなり」


「いいから、好きかどうかちゃんと答えてよぉ」


「そんなの好きに決まってるだろ」



と、


聞こえてきたそんな会話……



見ると、制服を着た高校生カップルで、



公衆の面前で何つー会話……



なんて思いつつも、



いいよね……若いコは思うままに好きって言えて。



なんて思ってしまう自分がいる。




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