I am … 【完】
世界で一番悲しい夜



術後七日目



早朝からモニターの他に血液検査や尿検査をする。


いつもより倍の時間モニターをつけての張りがないかの確認。


時間にして二時間。自分で感じる張りもないし、機械から出てくる心電図みたいな用紙にも張りの数値は見られない。



あとは先生が見て問題なければ、診察をしたあと退院出来るかどうかが決定される。



大府先生は帝王切開の手術があるため診察は午後から。



看護師さんに、もしかしたら診察後に退院出来るかもと言われたので、朝からソワソワしながら荷物をまとめ迎えの手配をしていた。



点滴もしていないので私の役目は毎食後薬を飲むだけ。



正直、入院してる必要もないし、術後頻繁に来てくれていた看護師さんもモニターの時くらいしか会わない。



そのモニターももう数日前から顕著な波を起こすことは無くなっていた。


「もう張りもないし、心配ないね」


そう看護士さんとも笑って話し、やっと安心することが出来た…





早く優樹に会いたいなぁ…



“今日退院出来るかも!いろいろあったけどなんとか無事に赤ちゃん産めそうで良かった!“



診察を待つ間、ベッドに寝転んで新ちゃんにメールを打った。



ついに退院だぁ…



私も看護士さんも



誰も予想してなかった……



危機は完全に脱したのだと……



そう確信していた。













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