大人の恋愛~背徳の行方~
梨桜の留学
螢が、社会人になって1年経つと、仕事にやりがいが出てきた。

仕事自体は、結構キツかったが、梨桜の支えがあると思うと、
螢は、意欲的に仕事に励むことが出来、ましてや後輩が出来たことも
螢にとっては、嬉しかった。

元々、長男なので、面倒見が良い反面、甘えん坊な面がある螢だが
会社では、面倒見が良いと言う部分が全面に出ており、梨桜の前では、
完全に甘えん坊の部分が出ていた。

螢は、バランスが取れた状態で、社会人、2年生になっていたが、
それはあくまでも、梨桜が側で、螢を支えている!という現状で
成り立っていた。

梨桜も、3年生になって、すぐ、ゼミの教授に呼ばれた。

コンコン ♪

「失礼します・・水無瀬です。お呼びだと聞きましたが?」

「おぉー、水無瀬さん、まぁー座って!」

「はい・・・失礼します。」

「実はだね、今年の交換留学生を、君にどうかと思って!?」

「えっ、交換留学生ですか?」

「うん、アメリカの提携を結んでいる大学と、毎年、2名づつ
 留学生を交換しているんだよ。知っているよね!?」

「はい、存じてます。それが、私ですか?」

「うん、君ともう一人、これも経済からなんだが、中島さんと
 どうかと思って・・・・。
 出発は、8月で、9月から向こうの大学へ行ってもらって、
 帰国は、卒業式ギリギリの三月になる予定だ。
 卒論は、こちらに出してくれればいいし、就職は、それなりに
 紹介させてもらうよ。
 どうかな!?」

「はい・・・・家族とも相談したいと思いますので、それからでも
 返事は良いでしょうか?」

「あぁー、構わんよ。返事は、今月中にくれれば・・・期待しているよ」

教授との話を終えた梨桜は、呆然としていた。
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