大人の恋愛~背徳の行方~
再会
その夜、螢は、真紀と式場へ行き、用を済ませると、真紀に
今日は、急用が出来たから帰ると、式場で別れた。

家に帰ると、誰もおらず、一人で部屋に籠ると
梨桜の妹の事を、思い出していた。

「梨桜の妹か・・・・似ていたな・・・・梨桜も1年の時、
 あんな感じだったよな!!」

何故か、思い出すのは、梨桜の事ばかり・・・・

今にして思えば、あの時、梨桜の留学を許していれば、今でも梨桜と
一緒に居れたに違いない・・・・。

でも、あの時の自分の精神状態は、自分の事で、手一杯だった。

螢は、小さい頃から、環境が変わると、必ず心許せる人に甘えて
精神状態を正常に保つ所があった。

環境に慣れれば、なんてことはないのだが、慣れるまでが大変で
小さい頃は、幸子や義也に甘えたが、中学・高校・大学は、螢の
甘えを知っている幸子が、螢の中学入学するときに、犬を飼い
その犬が、螢の癒しになっていた。

その犬は、螢が、大学に入学して、螢の状態が落ち着いたとき
病気で亡くなり、

その後、社会人になった時は、梨桜が側に居たため、梨桜に
甘えて、その時期を過ごした。

しかし、梨桜は、螢が、まだ完全に、社会人としての生活に
慣れる前に、留学の話が出たため、螢が、極端に拒絶したのだ。

今となっては、引き返すことも出来ない・・・・。

そう思いながらも、心のどこかで梨桜を追い求める気持ちに
気づかない振りをしていた。
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