狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
第十三章 冷たすぎる狼

「なんかさぁ……、狼谷君と桃華が付き合ってたのが幻だったみたいに感じる」


「……だよね。自分でも夢を見ていたんじゃないかって思うもん」


クリスマスが間近に迫ったこの日。


体育の時間、体育館でバレーの試合を眺めながらあたしは苦笑いを浮かべた。


沙希には星哉と別れた本当の理由を話していない。


ただ、星哉との別れの理由は『性格があわなかった』ということにした。


本当の理由を話したら、正義感の強い沙希が星哉に言ってしまわないとも限らない。


沙希に嘘をついているようで心苦しいけれど、星哉を守るためには仕方がなかった。

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