幸せの掴み方
家族
柚葉は、菜々美に離婚のことと、お腹の赤ちゃんの事を告白してから、
今まで以上に、菜々美との時間を大切にした。

日中、幼稚園に行っている為、触れ合える時間は少ない・・・・
そして、休日や夕方、撮影が入ったりすると、本当に二人の時間は
貴重だった。

そんな二人を気遣うように、美代子や湊は接してくれ、特に湊は、
圭祐がいない分、菜々美と遊んでくれることが多くなった。

柚葉のお腹もだいぶ大きくなり、マタニティーのモデルとして、益々
仕事が入って来ていた。

出産後は、美代子の会社で立ち上げた、30代~をターゲットにした
洋服のモデルを務めることが既に決まっており、読者からみた身近な
モデルとして、人気も出て来ている。

最近では、他のマタニティー雑誌にも載るようになって、仕事も
順調に来ていた。

妊婦の柚葉は、菜々美の幼稚園の行事も、偶にままならない事もあるが、
運動会などは、美代子や義妹の瑠菜が応援に来てくれて、皆の協力を
得ながら柚葉は、毎日を過ごしている・・・

「ママ~、赤ちゃんは、男の子なの?それとも女の子なの?」

最近、菜々美は、お腹の子の性別が気になるらしく、よく聞いてくる。

「う~ん・・・・知りたいの?菜々美は?」

「うん。早く、知りたい!!」

「そっか・・・じゃー、この次、お医者さんに行ったら、聞いてみるね!」

柚葉は、菜々美がお腹の赤ちゃんの事を、気にかけてくれているのが
嬉しかった。

美代子と瑠菜も、性別を知りたがっており、次回の検診で、聞いてみようと
考えている・・・・

義妹、瑠菜は、柚葉を通じて美代子と知り合い、正二の子供
という事ではあるが、瑠菜自身が、素直な性格の為、美代子は気に入り、
今では、柚葉たちと一緒にご飯を食べに行ったりしている。

義母、博美は、歓迎はしていないみたいだが、取り立て文句も言われないと
瑠菜は話している。

博美にとっての前妻は、関わりたくない存在のはずだが、瑠菜が美代子を
気に入っている為か、あえて何も言わないと言っていた。
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