本音は君が寝てから
エピローグ

やがてたどり着く俺のアパート。
鍵をあけ、彼女を壁や角にぶつけないように気をつけながらベッドまで運ぶ。


「よいしょっと」

「ん、むう」


彼女は一呻きしたが、今だ寝息のままだ。
ここまでして起きないとは、そんなに酔いが回っていたのだろうか。


「まあ風邪でも引いたら大変だし、ゆっくり寝かすか……」


軽く布団をかけて、ポンポンと上から叩く。

可愛い寝顔を見てニヤニヤしつつ、落ち着かない自分の下半身に悶々とする。


部屋は二部屋あるから隣の部屋で寝ればいいだけなのだが。

ここのところ女と付き合うことも無く、色々溜まっている。

しかもここで寝ているのは、惚れた女。


寝れるのか? 俺。
寝れたら男として逆に終わってんじゃねーか?


とはいえ、流石に今日付き合い始めたばかりでは手を出すには早い。
そうだよ、早いよな、俺!


理性に説教される形で自分の中で折り合いをつける。


俺は彼女を大事にしたい。

据え膳食わぬは男の恥というけど、これは恥じゃなく彼女を思う男心だ。
決して嫌われたら怖いという、ヘタレ心ではない!

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