「約束」涙の君を【完】
●強くなりたい

安心





家を出る時、


お父さんはどこかホッとしている表情だった。



一言もお父さんに声をかけられることなく、

私はおじいちゃんの車に乗った。



高速道路のライトが、


規則的に頭の上を通り過ぎて行くのを、


車窓からずっと眺めていた。




本当にこれでいいんだろうか、



おじいちゃんやおばあちゃんに、



こんなに迷惑をかけて、


甘えて……





たくさんの言葉が頭に浮かぶのに、

たくさんの言葉を二人にかけたいのに、


声に出そうとすると、


喉がつまる。




首を抑え、


涙がこぼれないように、


また、上を向いた。








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