静かな涙【完】
本当のさようなら
3月19日

私の心とは裏腹に空には雲一つない晴天。



今日、お姉ちゃんも浩司さんも午後13:20分の飛行機で旅立つ。

本当に今日でさよならの日だ‥。



月日が流れるのなんて、本当にあっという間で‥

ここ半年間は走り抜けるかのように時が過ぎた。







『ほら、行くわよ』お母さんの声でハッとなる。

タクシーに乗り込み空港まで見送りに向う‥。






『本当に大丈夫?真弓独り残って‥』

お母さんは顔をしかめながらタクシーの中で私の顔を見る。


『もう、何度言えば解るの?明日経つんだし。私は大丈夫だって。』

お母さんが私の手を握る。


『お母さん、やっぱりもう1日ずらそうかしら‥』


『もう、子供じゃないんだから大丈夫だって。
お盆には帰るよ。』


本当は帰るつもりなんてないんだけれど、安心させるために
私は嘘をつく‥


『それならいいんだけど。明日向こうに着いたら電話してね』


『解った。』


お母さんは何度も頷いていた。

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