合縁奇縁~去る者は追わず来る者は拒まず
Ф真剣勝負


「で、あんたは今、そのツバメを囲ってるって訳ね」


久しぶりに遊びに来た親友の良子が呆れた顔でそう言った。

「ツバメを囲ってるって……、その言い方、なんかすっごく古臭い」

リビングの床に胡坐をかいて、ワイングラスを片手に良子が眉間に皺を寄せる。

「しょうがないでしょ、わたしお婆ちゃん子なんだから」

古きよき昭和の時代を愛してるの、なんて自虐的な言葉を繋げて、良子はわたしと、その隣りに寝転ぶ山城を見て呆れたように呟いた。

山城は、あれからすっかりわたしの家に居ついてしまっていた。

どうせ部屋余ってるんだし、いいでしょ……、とわたしから合鍵を奪うように取り上げて、わたしが帰宅前でもちゃっかり上がり込んで寛いでいる。

ま、あくまで常識の範囲内での行動なのが山城らしい。
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