復讐のkiss
第五章 本当に復讐すべき相手
ここはどこだろうか?

私は眠っているのか?

それとも起きているのだろうか?

頭はハッキリしてるのに、

体が思うように動かない。

…いや、重たくて動かないと言うより、

誰かが私を抱きしめて動かない、

と言った方が正しいだろう。


腕の中はとても心地がいい。

瞼が重くて、開ける事は出来ないけれど、

今は戦中じゃないから、

この腕の中でもう少しだけこうしていたい、

そう思った。


「…ラメセス」

誰かがラメセスを呼ぶ。


「…どうした、今はゆっくり休めと

言ったはずだぞ、オシリス」

優しい声で、オシリスに言う、ラメセス。


「どうしても聞いてもらいたい事があってきた」

そう言ったオシリスの声が、

少し震えている。
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