カノジョの死因、他殺。
カノジョについて。






上川出版に入社し、芸能部に所属して早3年。





菊池ハル 25歳。





念願叶って遂に





遂に






「社会部異動になりましたー!! かんぱーい!!」






嬉しさ余って、彼女と親友を連れ出し絶賛飲み会開催中。





「ハルが社会部ねぇ……。 大丈夫なのかよ、政治とか、経済とか」




浮かれまくっているオレに、白い目を向けてきたのは、大学で同じ学部だった坂口健人。





出会った時から真面目で堅実だった健人のシゴトは区役所職員。 みんな羨む公務員。





「大丈夫だ!! 新聞アプリダウンロードしたし!!」





『見ろッッ!!』と健人の目の前にスマホを突き出すと





「偉いぞー、でも、ダウンロードしただけじゃ意味ないんだぞー、毎日見なきゃしょーもないんだぞー」





健人は若干馬鹿にした様に、オレの頭を撫で回した。





「…………ハル、今より忙しくなるの??」





ふざけ合うオレらの横で、付き合って4年になる彼女、亜美が不安そうな顔をした。





「………どーだろ」





芸能部の時は、とにかくゴシップをスッパ抜く為、昼夜かまわず芸能人を追いかけ回した。





そんな事ばかりしていたから、亜美をかまってやる時間がなかった。





亜美の事は好き。





だけどオレは、恋愛より、今はシゴトで認められたい。
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