先天性マイノリティ
Minority-0.後天性



(SIDE、Kou)







俺はなんのために在るのだろう。


疑問が尽きない日々に、二つの解答が舞い降りて来た。


ひとつはサクラレイジ、もう片方はキサラギメイという形態をしていた。


俺は、二つの答えをとても愛した。





誰にも言えない秘密を抱えていた。




ひとつ、幼少期に父親から性的虐待を受けていたこと。



ふたつ、俺には、他人の心情や感情というものがよくわからない──、そんな精神疾患を抱えているということ。



…ゼロジを執拗に求めてしまう自分が、怖かった。


いつか壊してしまうのでは、と思った。


どんなに大人ぶってみたところで、所詮子供の背伸びだということは自分が一番良く知っていた。


メイを、好きだった。


ゼロジを、愛していた──と思う。




推定しか出来ない俺はこれ以上人間を演じられないことを覚る。




だから…自らの終焉を、今日と決めた。





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