† Lの呪縛 †
第六話*ネヴィル
屋根の上に寝そべり、月を見上げるネヴィル。


風が吹いているが、寒さなど感じない。



「今日の月はまん丸だねー」

「……何をしにきた」

「見かけたから話しかけただけだよっ」



寝そべるネヴィルの隣に、ヒューイがちょこんと腰掛けた。


ネヴィルは若干嫌そうな顔をするが、ヒューイは気にしていない。


ニコニコと月を見ながら笑っている。



「さっきまでオリーと話してたんだ。 何だか雰囲気が変わったね」

「…………」

「表情が明るくなった」

「…………」



ヒューイが一方的に喋っているだけで、ネヴィルは口を開かない。


話をちゃんと聞いているかも分からない。



「パーティーに出たんだってね」

「…………」

「大丈夫だった?」

「……何がだ」



漸くネヴィルが口を開いた。


ヒューイは片膝を抱き、ネヴィルを見下ろし微笑んだ。



「オリーの瞳は人間達を魅了し惑わせる」

「あの子はあの瞳でなくとも美しく魅力的だよ」

「随分と溺愛してるんだね」

「…………」

「オリーは人ならざるもの……僕はこれ以上あの子が傷付く様を見たくない」



ネヴィルは横目でヒューイを見た。


真剣な眼差しがぶつかり合う。





< 176 / 260 >

この作品をシェア

pagetop