Secretな関係
1

告白





風が吹き、落ち葉が舞い上がる。

木には僅かに葉が残っている。


肌寒く感じる今日この頃。



遠くでは、部活動に励む生徒の声が聞こえてきた。




古関優愛、高校一年生。


最近、16歳になったばかりで、ほんの少し大人になったように感じていた。



今日は、少しだけ背伸びをして、フローラルの香りがする香水をつけた。



どうしても今日だけは可愛くいなくちゃならない。




私の一つ上の学年に、同じ委員会の谷本先輩が居る。


私は、委員会で優しくしてもらってからずっと片想いをしていた。



自分が思っているよりもずっと幼い私には、優しさという行為が恋に結びつくのは容易なことだった。



そして今日、私は思い切って谷本先輩を中庭に呼び出した。

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