君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
幸せな未来ビジョンってなんですか?
「なーなーこ。別にそんな警戒しなくても誰も見てねぇから大丈夫だって」


「そんなの分からないでしょ!?いつどこで誰に見られているか分からないんだから、気を付けないと!」


「...とにかく二人とも、自分の荷物くらいちゃんと管理してくれないか?」


懐かしい面々が揃ったのは土曜日の早朝、特急列車の中。


「ごめん翔ちゃん、うっかりしてた」


すっかり忘れてたわ。荷物の存在に。


「うっかりじゃないだろ?ほら!桜子も自分でちゃんと管理しろよな」


「いいじゃねぇかよ。昔みたいに面倒見てくれよ」


自宅謹慎中のなか、なぜこんな状況になっているかと言うと、話は昨日の夜に遡る。


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自宅謹慎を命じられて三日目。謹慎翌日には橘さんは光太君を連れて藤原さんが待つ自宅へと戻って行った。
そのあと、二人からお詫びの電話がありすっかり仲直りした様子に一安心した。
次の日は久々の一人で少し寂しくも充実した一日を過ごし、迎えた金曜日の夜。
早くもやることがなくなり暇をもて余していた時のこと、自宅マンションに何の前触れもなく桜子がやってきた。


「えっ?なに急に。桜子がうちに来るなんて珍しいじゃない。...それに、なに?その大きな荷物は」


とりあえず自宅に招き入れるも気になってしまうのは桜子が手にしている大きな荷物。


「まーまー!詳しいことは寛いでから」


まるで我が家のようにリビングのソファーに座る桜子。


「うわっ!いいソファー。菜々子いい暮らししてんな。羨ましい」


「別に家具は全部圭吾さんのだし...。で?どうしたのよ、急に来て」


桜子の隣に腰掛け、桜子の話を聞く。


「あぁ。菜々子さ明日一緒に地元へ帰ろうぜ」


「...は?なに急に」

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