好きだったよ、ずっと。【完】
春夜の気持ち
「春夜、わたし一人で帰れるからいいよ」



春夜と一緒に店を出たものの、送ってもらうなんてことやっぱりできない。



しかも、勢いで告白しちゃったし…。



あんなこと、言うつもりじゃなかったのに。



聡が、悪い。



素直になれとか、言うから。



もう春夜の目、見れないじゃないっ。



春夜は春夜で抱きしめてくるし、送るとか言うし、ほんと分かんないっ。



「だめだ、送る」



ほら、こうやって優しくされるとまたドキドキする。



わたしは女として、見られてないんだよ。



さっき、聞いたじゃない。



だから春夜のことは、もう忘れなきゃいけないの。



頑張れ、わたし。
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