すっぴん★
3話 コスプレな彼氏

素は、ホテルでの出来事を甘酸っぱく思い出していた。


「初めて会った日にラブホに行くなんて、私どうかしているわ」


ぽつり、素の独り言。

あの時の事を思い出すと、今も素の胸が高鳴って来る。
顔がぽーと赤くなるから、自分ながら素は初心だと思う。


「事の直前に、なぜあんなに酷くアレルギーが出たのかしら」


薄っすらと赤面した頬を撫でながら、素はあの時の状況を反芻してい
た。


「あの時も、勿論すっぴんだったわ。では、なぜ化粧品アレルギーが
・・・」


「化粧品アレルギーと違うのでは・・・。では、何が原因?・・・・。
皆目分からない」

素は、恋路を邪魔したアレルギーの事を忌しく思い返していた。


「分からない。考えれば考えるほど、分からなくなる。えーい、気分
でも変えるか」


素はお腹が空いて来た事に気付き、気分転換を兼ねて、近くのコンビ
ニに行く事にした。


マンションを出ると、深夜の風が素の頬を撫でる。
風を心地良く感じながら、素は徒歩5分位の所にあるラーソンに向っ
た。





 
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