ネージュ【短】
嫉妬
「ここだよ」



そう言って光輝くんが指した場所は、見るからに高そうな高級ホテルで。



「え、光輝くんここ…」



あまりの高級感に足が竦<スク>んだ。



「なに、気に入らなかった?」



「そ、そうじゃなくって…。だってココ…」



「お金の心配してるの?それなら大丈夫だから。ボクだって働いてるの。ほら、行くよ」



すぐ、わたしの考えが分かっちゃう光輝くんはクスリと笑って、戸惑ってるわたしを連れ中に入った。



「松山です」



「お待ちしておりました。どうぞ、こちらへ」



ビシッ、と正装した男性が席へと案内してくれる。



周りを見れば、みんなちゃんとした格好をしていて。



光輝くんも、仕事帰りだからスーツだし。



わたしは一応着替えたけど、まさかこんな高級なとこだと思っていなかったから、この前友達とショッピングした時に買った総レースの白ワンピできちゃった…。



「席はこちらをご用意させていただきました。いかがでしょう?」



「うん、いいね。ありがとう」



光輝くんは、ニッコリ笑って答えた。



男性も安心したように笑った。
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