たとえばこんな言葉たち
今も




     ―――― 今も ――――




生きているということ


その詩を教えてくれたのは
普段は冷血漢バリバリの理系の先生だった

蟷螂みたいに目が細くてつりあがっていて
山で一緒に遭難したら
自分が助かるためなら
一緒に居る奴の事なんかどうでもいい
なんて平気で言っちゃうような先生だった

だからかな
よけいにかな

そんな詩を教えてくれたことが
今も忘れられなくて
その詩のことを今でもよく思い出すよ

心の中で繰り返してみたり
一人のときに呟いてみたり

今、なにをしているのかな

やっぱり
遭難しても助けたりしない
なんて冷たいことを言っているのかな

それでもきっと
同じように
この詩の事を教えている気がするよ


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