ウェディング・チャイム
6月の行事予定

~運動会、燃えているのは担任だけ!?~


~運動会、燃えているのは担任だけ!?~



「よーい」

 澄んだ音色のホイッスルがグラウンドに響き、スタートの合図。

 先頭ランナーが駆け出し、コースを半周。

 第二走者がバトンゾーンで待機している中……第三走者の姿が見えない!

「ちょっと、奈々ちゃんはどこに行ったの?」

「舞花と一緒に水飲みだと思う~」

「はああっ!? もう、間に合わない! 代わりに里香ちゃん走って!」

「え、里香が走るの? わわっ! バトンもう来た!」

 六月に入る前からすでに運動会モードだったけれど、直前になってさらに体育の時間が増え、教員も毎日泥だらけ、もしくはラインパウダーで白くなりながらジャージで駆け回っている。

 小学校生活最後の運動会で、子ども達にも気合いが入るかと思いきや。

 ……盛り上がってるのは私だけ!?

 今時の子どもは結構ドライで、勝ち負けにこだわらない、と言えば聞こえはいい。

 けれど、負けた時に『別に勝負なんて最初からどうでも良かったから練習もしてないし~』という言い訳をするためのように見える。

 勝ち負けにこだわらないのではなく、今から負け惜しみを言っているような感じ。

 森が丘小学校は、一組が紅組、二組が白組に分かれて競技を行う。

子ども達も隣のクラスがライバルなので、結構真剣になるはず……なんだけど。

「先生~、十番目に走るの、誰だっけ?」

 リレーが途中で止まっている。

「あのね~、自分達が走る順番はせめて覚えておいてよっ! 十番目は俊太君です」

 ……疲れる。肉体的にも精神的にも、疲労のピークかも。あと一週間で本番なのに。
< 37 / 189 >

この作品をシェア

pagetop