なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】
なにやってんの私【復讐計画2】続・秘密を探る

 冬山君に会ったのは春も過ぎ、ゴールデンウィークに入るちょっと手前だった。

 萩原さんはあれから仕事がまたも忙しくなり、国内はもちろん国外までにもでかけ、会えても10日に1回とかそんな程度になってしまって、ちょっと寂しかったりする。

 それでもそんな私を分かってるのか、気を使ってくらているのか、毎日のようにメールをくれる。

 最初の頃こそ、なんて返そうかって考えて返信が遅れがちだったんだけど、最近じゃそんなこともなくなった。


 いまだに下の名前と仕事はヴェールに包まれてふわふわと宙ぶらりんになってるけど、それも間もなく露になる予定。

 ゴールデンウィークに旅行に行くことになり、いや、この業界、そんなときこそ稼ぎ時だからフルで仕事に入るってのが今までのゴールデンウィークの過ごし方だったんだけど、

 ゴールデンウィーク明けに彼氏と旅行に行きたい(彼氏も仕事の都合上休めない)というスタッフさんがけっこういて、

 だったら丁度いいね。交代で休もうってことになったわけだ。


 だから、この旅行は絶好のチャンスとも言えるわけで。


 名前を知らないとかそんな普通じゃない状態で付き合って(始まりは記憶にないけど)かれこれ5ヶ月になろうとしている。

 この状態にも慣れてきたし、着々と新しい人生を歩き始めてるから、次のステップに進みたい。



「夏菜ちゃん!」

 ひさしぶりっ! と、冬山君に声をかけられたのはまたもスタジオ下のコンビニ前。


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