LOVE BOX~光を探して~
優しすぎた故



「最近親がうるさくてさ」



冬を迎え、付き合って半年が近付いた頃……私の好みだから、と伸ばしてくれた髪を風になびかせながら、言い辛そうにケンが口にした。



「帰り遅いから?」



「それもあるし……成績もちょっと」



確かに、私の成績だって入学した頃は学年で上から20番目だったハズなのに、気がついたら下降するばかり。


まぁ……正直私は構わないんだけど。



「じゃあまた一緒に勉強する?」



ケンの家での勉強……は触れ合いたい盛りの私達にとって、すっかり勉強にならなくなっていたけど……。



大好きなケンが頑張るんだったら、一緒に頑張ってみてもいい。


だけど、ケンの答えは違った。



「ん……なんかちょっと葵が来るの嫌みたいなんだ。ごめんな?」



「そ……っか」



末っ子のケンを可愛がっていたお母さんに目をつけられてしまったらしい。


「じゃあしばらくは葵の家で逢って、帰りも早くしよっか」



もっとずっと一緒にいたいけどしょうがない。誕生日とクリスマスもあるし、我慢しなきゃね?




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