彼氏契約書
1.正月早々
新しい一年を迎える今日。

平成26年1月1日。

今年は日の出をこのマンションの最上階に住んでるんだから、

見てやろうと思ってたのに、昨日いや、正確には

今朝の2時まで仕事をしてたせいで、日の出も見れず、

私はお昼まで爆睡していた。

佐伯美緒30歳。有限会社 Orionの専務。

仕事内容はアパレル。洋服のデザイン、販売を行っている会社。

小さいながらでも、それなりに業績を伸ばし、

結構売れてる会社である。



ピンポーン・・・・


気持ちよく眠っていると言うのに、

正月早々誰が家に来たのか?

私の実家は浅草で、夜には帰ると言ってあるので、

両親がうちに来ることもない。

友人たちは、既婚者が大半で、うちに来る者も少ない。

…じゃあ誰?


パジャマのまま、私は目をこすりながら、玄関に向かう。

「…は~い・・・須藤、どうしたの?」

「あ、まだ眠ってたんですね。すみません」


160㎝の私より、はるかに大きい190㎝の須藤蒼空22歳。

スラットしててイケメンの彼は、笑うとえくぼの見える人気者。

そして専務をしてる私の秘書をする私の部下。
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