「涙流れる時に」
6 決別
「どうしたらいいのか、わからない。」部屋の異臭は主に酒だった。るみ子はとことん、酒に逃げた。

依然 百合とは連絡が取れない。「完全に騙されたのね。」るみ子はようやくこの事態に気づく。

「許せない・・・あの女」るみ子は百合と会った新宿のサウナに仕事が終わっては張り込んでいた。

毎日通うと、サウナには常連客がいることに気づく。そしてある日、偶然にも百合の噂をしているのを耳にした。

「あの子は街を変えたよ。」百合はコンパニオンで地方の観光地を回って稼いでいることも知った。

でも、金で男と別れさせたりって噂は聞かない。

「なんでそんなことしたの・・・」

るみ子は百合が気になっていた。

「今日もダメか・・・」るみ子は百合の消息が掴めぬまま1ヶ月が経った。

「生きてんのかな・・・」ふとそんなことも思う。

こんなに憎いのに、死んでいたら・・・なんて変な心配をしてしまう。

「ねぇ・・・連絡してよ。」るみ子はそうメールを送る。

そしてもう1通・・・恭平にもメールを送った。

「最後に逢いたい」

るみ子は恭平との別れを決意した。

「お久しぶり」・・・るみ子は恭平に外で逢うのは久々だった。

待ち合わせたのはあの大学の木の下で。願いは叶わぬまま、この日を迎えた。

「奥さんの・・・もぅ・・・疲れちゃったな私」

「ごめん・・・なかなか言い出せなかった。妻は病気なんだ」

「うん。本当は奥さんと別れて、一緒になって欲しかった。それぐらい好きで・・・。」

「別れるつもりはない。」恭平の変わらぬ気持ち。るみ子にはこの夫婦に入る隙はまったくなかったんだ・・・初めから。

「遊びだったの?初めから。」「いや、そんなことはない。若いし、魅力的だし・・・」

「もういいよ・・・」

「るみ・・・」恭平はるみ子を心配するも、るみ子の消息は掴めない。
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